先日購入したMacBookでWindowsを動かすにあたり、仮想化ツールの選定をしましたのでその記録です。
MacBook ProでWindows用のソフトを動かそうとするならば....
— sen_nen (@sen_nen) June 3, 2020
(目的としてはゲームを想定していますが、それほど高いパフォーマンスが必要なタイトルはやらないと思います)
はじめに
MacでWindows用ソフトを動かすにあたっては、いくつかの選択肢がありますが、一般的なものは以下のの3つだと思います。
- BootCampを使ってMac上でWindowsを動かす
- macOS上で仮想マシンを動かし、その上でWindowsを動かす
- Wineを使う
このうちBootCampは、Macのハードウエアに対してmacOSとは別にWindowsをインストールして動作させる、いわゆるデュアルブートと言われる環境を構築する物です。BootCampはAppleが標準機能として提供している事や、Windowsの利用中にはmacOS上は起動していない状態である事などから最も良いパフォーマンスが出る事が想定されますが、Windows用アプリの利用中にはMac用アプリが使えないなかったり、環境構築や将来不要になった時に元に戻す手間が大きいなどの面倒があります。
僕は新しいパソコンでゲームをやろうとしている一方、生き馬の目を抜くように機敏で精緻な操作や、それに応えるマシンが必要になるような遊び方をする事は多分なく、それをするならちゃんとしたゲーミングPCを購入すべきだと思っているのでちょっと面倒ではあります。一方、macOS上でmacOSのアプリとして仮想マシンを動かし、そこでWindowsを動作させる方法であれば、macOSとWindowsの両方にリソースを喰われるために多少のパフォーマンスは犠牲になりますが、このあたりの面倒は緩和されます。また、Twitterでのアンケートを取ってみたところ、どなたか存じませんがご回答頂いた1名の方も仮想マシンを推していたようですので、この方向で進める事にします。
※Wineはマニアックな上に僕も使った事がない為うまく説明できないので、気になる方はここを読んでください。
仮想マシン環境について
仮想マシン環境を提供するソフトを選ぶにあたっては、各種ブログやQiita, Noteなどの記事を参考にした結果、Parallels DesktopとVMware Fusionが候補に残りました。仕事でVirtualBoxを使っているのでこれでも良いか(無料だし)と思っていたのですが、ゲームをやろうとするとちょっと厳しいそうです。また、使った事のない製品を使えるようになっておけば将来なにかの役に立つかもという考えもあります。
Parallels DesktopとVMware Fusionには費用面ではあまり差異はなく、それ以外の面での差異は一長一短あるように思えます。両方のトライアルをやってみたところ、インストールが簡単だったのは圧倒的にParallelsでしたが、なんとなくの印象としてはVMware Fusionのほうが良かった印象です。また、ParallelsはVagrant用のプラグインがProプランでしか使えず、Proプランは買い切りができずに毎年ライセンス料を払う必要がある点が気になります(その点VMware Fusionでは買い切りでVagrantプラグインが利用可能なようです)
両者の製品でベンチマークを動かしてスコアを比較されていた記事も見つけましたが、自分の環境だとどうだろうというのが気になったので、自分でやり直す事にしました。
使用した環境
- MacBook Pro (13-inch, 2020, Four Thunderbolt 3 ports) 先日発売された4モデルのうち、上位モデルの下の方(この言い方で合っているのか?)です。CPUやメモリなどのカスタマイズはしていません。
- macOS Catalina バージョン 10.15.5
- Paralles Desktop 15 for Mac Pro Edition バージョン 15.1.4(トライアル)
- VMware Fusion バージョン 11.5.5(トライアル)
CPU、メモリ割り当て
Parallesの設定
- プロセッサ:2
- メモリ:8192MB(デフォルト4GBから増やした)
- グラフィックメモリ:2GB
- 仮想ディスク256GB
VMware Fusionの設定
- プロセッサ:2
- メモリ:8192MB(デフォルト2GBから増やした)
- グラフィックメモリ:2048MB
- 仮想ディスク256GB(デフォルト60GBから増やした)
ベンチマークの実行条件
- 以下のような見た目となるように調整。
- Mac上では各VMのほか、本稿(VSCode)、参考として先述のブログ(Chrome)のみを開いている状態。VM上ではベンチマークソフトのみを開いている状態。
- ベンチマークソフトは「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」を使用。グラフィックは標準品質、解像度は1280x720、表示方法はウィンドウ。
- 実施中、ネットワークは切断する。(裏でWindows Updateとかが動き出さないとも限らないから)
- Parallesでのベンチマークを先に実施し、放熱の為しばらく放置した後にVMware Fusionでのベンチマークを実施
先日のアンケートの結果を受けて仮想マシン環境のベンチマークを取ってみる。 pic.twitter.com/Z1TsN78sS9
— sen_nen (@sen_nen) June 7, 2020
※元ブログではモンハンのベンチマークも使われていましたが、僕の場合はドラクエやモンハン自体がやりたいわけではないので省略しました。
結果
圧倒的だった......同じマシンで同じ日にベンチマークを取った結果とは思えない...... pic.twitter.com/7c84yT1eMx
— sen_nen (@sen_nen) June 7, 2020
Paralles
評価:とても快適 スコア:9945
ベンチマーク開始直後にCPUファンが回り始め、その後ずっと回りっぱなしだった。
VMware Fusion
評価:普通 スコア:4694
ファンの回転については、Parallesでやった時よりもマシな印象だった。
まとめ
パット見の印象はVMware Fusionのほうが良かったので多少の差であればこちらを使おうと思っていましたが、圧倒的でした。。もうParallesを使って、トライアル期間中に問題がなければライセンスを買おうと思います。